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ケア育児

【保育園】「自分だけ参加できない活動」をどう乗り越える?【医療的ケア児】

僕もみんなと一緒にやりたかったのに…!気管切開もう嫌だ~!

今日の息子の言葉です。

病児、障害児、医療的ケア児の中には、保育園等でみんなが楽しそうにしている時に、一人「見学」や「別室待機」となってしまうことがあります。

そんな時、子どもの気持ちをどんな風に受け止めていけばいいのでしょうか。

チャイルドカウンセラーかつチャイルドコーチングアドバイザーの私がお話しします。

☑本記事の内容

  • 「自分だけみんなと違う」という子どもの寂しい気持ちに向き合う

では、目次です。

医療的ケア児の息子が直面したこと

保育園での禁忌事項(気管切開児)

息子は気管切開しているため、主治医から以下の2つを禁止されています。

  • プール遊び→ 万が一プール内で転倒した時に喉に水が入るリスクが高い
  • マット運動→ 首の前屈でカニューレが圧迫されたり、首の過伸展で自己抜管のリスク

保育園という集団の中で、常にマンツーマンでべったりサポートしてもらうわけにもいかないので、どもの命を守るためにある程度の制限は必要だと考えていました。

息子にも、禁忌事項についてはしっかり伝えており、本人も納得しているかに見えました。

頭で分かっていても、気持ちが追い付かなかった

でも、その日はちょっとした「我慢」を要する出来事が重なって、最後にはとうとう大泣きをしてしまいました。

時系列で追っていくとこんな感じだったそうです。

  1. みんなと一緒にプールの準備をしている時に、「○○君はプールは入れないから着替えなくていいよ」と言われた。→シュンとなる
  2. 「みんな廊下に出てね~」と先生に言われて廊下に出たら、「○○君は教室に残ってね」と言われた。→涙目
  3. 教室待機中にパズルブロックを作っていたら、プールから戻ってきたお友達がテンションが上がりすぎて作った作品を全て壊した大泣き

ちょっとした行き違いがあったことも、原因の一つでした。

  1. 私が「プールに入らない子は水着は不要」と知らなかったので、水着を持たせてしまった。
  2. 先生の「みんな」への指示通り動いていたのに、その「みんな」の中に自分が入っていなかったと知ってショックを受けた
  3. プールに入れないモヤモヤをブロックで紛らわせていたのに、プールの興奮冷めやらぬお友達に作品を壊され、こらえていたものが一気にあふれてしまった。
もう帰る!ママを呼んで~!!

実は息子は、数日前から「プールに入りたいけど、気管切開あるからダメだよね…」と自分に言い聞かせるように話していました。

理屈では無理だと分かっていても、まだまだ気持ちのコントロールが難しかったのかもしれません。

本人の口からは諦めの言葉も

それからしばらくすると落ち着いて、普段通り遊んでいたようです。

でも、保育園から帰るときに、

「もう水着は持って帰る。持っててもプールには入れないんだから」

と、つぶやくのを聞いて、胸が締め付けられました。

いくら安全のためとはいえ、やりたい気持ちにフタをして我慢しようとしている息子の気持ちを思いやると、辛かったですね。

必要なのは「受容」&「共感」

寂しい気持ちを受け止める

まずは息子の話を頷きながらしっかり受け止めていきます。

「みんなと一緒にやりたかったのに、一人だけプール行けなかった」

「そうだったんだね」

頷きながら、こちらの意見を挟まずただ頷きながら話を聞いてやります。

その時の状況や、気持ちを外に吐き出させてやるのです。

子どもが話したいだけ、たーっぷりと聞いてあげましょう。

子どもの気持ちに共感する

「みんなと一緒がよかったのに、一人だけ教室で寂しかった」

「そっか、それは寂しかったね」

「僕が作ったブロックもいきなり壊されて嫌だった」

「そうだったんだね、嫌だったね」

子どもが感じているマイナスな感情に共感していきます。

嫌な気持ちを思い出してますます落ち込むのでは?と思う人もいるかと思いますが、子どもはむしろ、

「ちゃんと聞いてもらえた…」と安心感を得ることができます。

親の提案は最後に行う

受容と共感がしっかりできていれば、子どもの心はこの時点でずいぶん軽くなっていると思われます。

息子も、

「ほんとはやりたかったけど、気管切開あるからダメだよね。」

と自分に言い聞かせるようにつぶやいていました。

「でも、やりたかったなぁ…」という息子に、私からの提案です。

「じゃあ、おうちでいっぱいプールしようか。ちゃんと側についてるから、お兄ちゃんと一緒に遊ぼう!」

「やった~!」

と、息子は納得してくれました。

ここで大事なのは、

ある程度受け入れてくれそうな落としどころを準備しておくこと。

「だめなもんは、仕方ないよね」で終わってしまうと、気持ちを切り替えることができません。

大人が切り替えのきっかけを作ってあげましょう。

まとめ

病気や障害を持った子どもたちは、日常生活の中で活動制限に直面してしまうこともしばしば。

そうした制限に対して「理不尽」な思いを抱き、「病気さえなければ」「障害のせいで」と後ろ向きになってしまう子もいるようです。

でも、親が子どもの気持ちを受け止めてフォローしてあげることで、子どもはまた前を向くことができますし、その子が持っている個性について冷静に話し合うことができるようになります。

集団生活に属している場合、可能であれば園や学校などと折衷案・代替案などを相談するのもいいと思います。

安全に配慮しつつ、いろいろな体験ができるように環境面からのサポートも行っていきたいものです。